動産・債権譲渡登記

動産・債権譲渡登記について

 企業が金融機関から融資を受ける条件として担保を出す場合、不動産を担保にすることが多いのですが、企業の流動資産である売掛金などの債権や商品などの動産を担保として融資を受ける仕組みをABL(アセット・ベースド・レンディング=動産・債権担保融資)といいます。
 ABLはまだ、普及しているとは言い難い状況ですが、企業の資金調達方法として、もっと普及することを願っています。
 ご参考に、過去に当事務所が行った債権譲渡登記の事例をご紹介します。
 この事例中のX社からのご依頼は、まさにこのABLにのっとった手続でした。

〈事例 債権譲渡登記〉

 当事務所にX社の役員の方から、「銀行から融資をうけるので、債権譲渡登記手続をしてもらえないか?」とのご依頼がありました。
X社はインターネットに関するサービスを顧客に提供している会社で、X社の取引金融機関であるY銀行は、X社の各顧客に対する報酬債権を担保に融資をしたいとのことでした。
融資実行日まで約10日しかない中で、X社及びY銀行から資料を取り寄せ、X社と各顧客との間で取り交わされている契約内容、債権譲渡登記をする債権の具体的な内容、Y銀行とX社との契約内容など、詳細にわたって確認しなければなりませんでした。
 また、債権譲渡登記は、原則として申請後、内容に間違いがあったとしても訂正することができないので、登記申請データを完璧なものに仕上げる必要がありました。連日遅くまで作業を続け、やっと登記申請データを完成させると、融資実行日の朝、新幹線の始発に乗って、債権譲渡登記を申請する東京法務局債権登録課へ向かいました。
同日は、
①Y銀行の融資担当者立ち会いのもと登記を申請
②その場で登記が完了するまで待機
③登記完了
④X社に対する融資実行
という流れで手続をすすめることになっていました。
 万が一登記申請データに問題が生じた場合にそなえて、当事務所からノートパソコンを持って行ったものの、登記を申請してから完了するまで約30分あまりの間、私は生きた心地がしませんでした。
 何事もなく登記が完了し、Y銀行の融資担当者が融資実行のゴーサインを出すのを確認した後、私は東京を後にしました。
 依頼者であるX社、Y銀行にご協力をあおぎ、限られた時間の中で迅速な対応をしていただけたからこそ、つつがなく手続をなすことができたのだと思います。